【はじめに:この記事について】

この記事は、先日発売された「Nintendo Switch 2」を手に入れた体験談です。


「…んしょ、…っと」

大きくなってきたお腹を抱え、クローゼットの奥に手を伸ばす。

目的のものは、ダンボールの一番下。数年間、光を浴びていないであろうその箱には、うっすらとホコリが積もっていた。

箱の側面には、懐かしいロゴ。「Nintendo Switch」。

そう、あれは数年前。世界中が熱狂したゲーム機。

私も例に漏れず、発売日に手に入れて、毎日のように遊んでいたっけ。友達と集まっては大乱闘、一人で広大な世界を冒険し、夜な夜な夫とマリオカートで本気のバトル。

でも、いつからだろう。この箱を開けなくなったのは。

仕事が忙しくなって、生活のリズムが変わって。気づけばSwitchは「遊ぶもの」から「クローゼットの肥やし」へと変わってしまっていた。

そんな私が、なぜ今になってこの箱を引っ張り出してきたのか。

理由は、このお腹の中にいる、新しい命。

妊娠後期に入り、お医者様から告げられた「自宅安静」の四文字。

嬉しいはずの毎日が、一転して「暇」と「不安」との闘いになった。

動きたいのに、動けない。

何かしたいのに、できることが限られている。

そんな時、ふと思い出したんだ。ソファに座ったまま、どこへでも冒険に出かけられた、あの日のことを。

「久しぶりに、やってみようかな…」

ホコリを払い、箱を開ける。

そこに鎮座していたのは、見慣れた赤と青のコントローラー、「Joy-Con」。

…と、ここまでが数日前の話。

実は今日、我が家に衝撃が走った。

仕事から帰ってきた夫が、満面の笑みで、一つの箱を差し出してきたのだ。

「ジャーン!Nintendo Switch 2、買っちゃった!」

え、うそでしょ!?

嬉しい。嬉しいけど、え?今?

ていうか、またコントローラーとか全部買い直し…?

そんな、一人の妊婦のリアルな本音から始まる、ゲーム体験記。

もし、あなたも昔のコントローラーを大切に持っているなら。

もし、あなたも私と同じように、何か楽しい暇つぶしを探しているなら。

もう少しだけ、私の話に付き合ってもらえませんか?

この記事を読んでわかること・わからないこと

本題に入る前に、この記事であなたが得られる情報と、そうでない情報を整理させてください。

✅ この記事でわかること

  • Nintendo Switch 2で初代SwitchのJoy-Conが使えたら、どんな感じ?というリアルな感想
  • 久しぶりにゲーム復帰した妊婦の率直な気持ち
  • Joy-Conの互換性が、お財布と心にもたらす意外なメリット
  • 妊娠中の暇つぶしとしての、ゲームの可能性

❌ この記事ではわからないこと

  • Nintendo Switch 2の専門的なスペックや性能評価
  • Joy-Con以外の周辺機器(プロコンなど)の互換性
  • ゲームソフトの詳細なレビュー

あくまで、ゲームに詳しいわけではない、ごく普通の一個人が書く、ゆるっとした体験談です。難しい話は抜きにして、純粋な「嬉しかった!」という気持ちを共有できたらな、と思っています。

(目次)

  • 再会の予感と、一抹の不安
  • 歓喜の瞬間!ダメ元で試した「あの儀式」
  • 【妊婦目線】初代Joy-Conが使えて、本当に良かった3つの理由
    • 理由①:未来のベビーグッズに消えるはずだった「諭吉さん」の保護
    • 理由②:変化の多い毎日に、一筋の「慣れ親しんだ安心感」
    • 理由③:ただのコントローラーじゃない。「思い出」の引き継ぎ
  • 数年ぶりのゲームは、最高の暇つぶしだった
  • まとめ:たかが互換性、されど互換性

再会の予感と、一抹の不安

夫が意気揚々と買ってきた、Nintendo Switch 2。

箱からして、もう違う。洗練されたデザイン。未来感がすごい。

「うわー!画面めっちゃキレイじゃない!?」

「本当だ!大きな画面でベゼル(縁)も細い気がする!」

キャッキャとはしゃぐ私たち。

早速テレビに繋いで、初期設定を進めていく。このワクワク感、久しぶりだ。

順調に設定が進み、いよいよ「コントローラーの登録」画面へ。

そこで、私たちの動きがピタッと止まった。

画面には、新しいデザインのコントローラーを登録するように、との指示。

そう、Switch 2には、もちろん新しいコントローラーが付属している。

でも、コントローラーは、一つだけ。

「…あれ?二人で遊ぶなら、もう一個コントローラーいるじゃん」

夫の言葉に、私の心は現実に引き戻される。

そうだ。そうだった。

新しいゲーム機を買うということは、周辺機器も新しくなるということ。

私の頭をよぎったのは、数日前に見たショッピングサイトの画面。

初代SwitchのJoy-Conですら、左右セットで8,000円近くする。新しいモデルなら、もっと高いかもしれない。

「うーん、買うか…」

少し残念そうな夫。

いや、違う。残念なのは、私のお財布事情だ。

ただでさえ、これからベビーベッドに、ベビーカーに、チャイルドシートに…と、諭吉さんたちが次々と旅立っていく予定なのに。

ここでさらに約1万円の出費は、正直、痛い。痛すぎる。

その時だった。

私の視界の隅に、クローゼットから出したばかりの、あの赤と青のJoy-Conが映った。

「…ねぇ、ちょっと待って」

私は、何かに導かれるように、そのJoy-Conを手に取った。

歓喜の瞬間!ダメ元で試してみたら繋がった!

「いやいや、無理でしょ。」

「でも、もしかしたら…でも、メーカーとしては専用コントローラーとして売りたいよね…」

半信半疑の夫を横目に、私はSwitch 2本体を手に取り、深呼吸を一つ。

そして、初代Joy-Conを、手に持ち、HOMEメニューにある「コントローラー」→「持ち方/順番を変える」を選択した。

恐る恐る、L と R ボタンを同時押しすると・・・

画面に、信じられない表示が現れた。

『Joy-Con (R) を登録しました』

「「えええええええええええええ!!」」

思わず、二人で叫んだ。

嘘でしょ!?まじで!?使えるの!?

慌てて、左の青いJoy-Conも登録してみた。

「ピコンっ!」

『Joy-Con (L) を登録しました』

画面には、見慣れた赤と青のJoy-Conのイラストが、しっかりと表示されている。

ホーム画面でスティックを倒すと、カーソルが滑らかに動く。ボタンも、全部ちゃんと反応する。

「…使えた…」

呆然と呟く私。

そして、じわじわと込み上げてくる、とてつもない喜びと安堵。

「任天堂さん…ありがとう…!」

思わず天を仰いだ。

これは、ただ「コントローラーが使えた」という事実だけじゃない。

それは、一人の妊婦にとって、あまりにも大きな、大きな救いだったのだ。

【妊婦目線】初代Joy-Conが使えて、本当に良かった3つの理由

この「Joy-Con互換事件」は、我が家(というか主に私)に、3つの大きな幸せをもたらしてくれた。

理由①:未来のベビーグッズに消えるはずだった「諭吉さん」の保護

まず、何よりこれ。お金の話。

すごく現実的だけど、すごく大事なこと。

新しいJoy-Conをもし買っていたら、おそらく1万円近い出費になっていただろう。

この「浮いた1万円」が、今の私にとってどれだけ大きいか。

  • 紙おむつなら、約5〜6パック。
  • おしりふきなら、1ケース買ってもお釣りがくる。
  • 可愛いベビー服だって、2〜3着は買えるかもしれない。

そう思うと、手元のJoy-Conが、急に輝いて見えてきた。

「よくやった、私。よくぞ試してくれた」と、自分を褒めてあげたい。

そして何より、そんな粋な計らいをしてくれた(であろう未来の)任天堂に、足を向けて寝られない。

理由②:変化の多い毎日に、一筋の「慣れ親しんだ安心感」

妊娠中の生活は、毎日が変化の連続だ。

自分の体型も、体調も、昨日と今日とでは全然違う。

嬉しい変化も多いけれど、正直、戸惑うことや不安なこともたくさんある。

そんな日々の中で、久しぶりに触れるゲームの世界。

新しいゲーム機、新しいソフト。ただでさえ「新しいこと」だらけで、少し緊張していた。

そこに、この「手に馴染んだJoy-Con」の存在。

数年間、私の手にフィットし続けてくれた、この形、この重さ。ボタンの沈む感覚。

この「いつも通り」が、驚くほど私の心を落ち着かせてくれた。

「ああ、この感じ。覚えてる」

体調が優れない日でも、この慣れ親しんだコントローラーを握れば、すっとゲームの世界に入っていける。

もし、これが全く新しい、慣れないコントローラーだったら。きっと、操作を覚えるだけで疲れ果てて、ゲームを楽しむどころではなかったかもしれない。

変化の多い毎日だからこそ、変わらない「安心感」が、こんなにも心強いなんて。

理由③:ただのコントローラーじゃない。「思い出」の引き継ぎ

私が手にしている、この赤と青のJoy-Con。

よく見ると、小さな傷がたくさんついている。

右のスティックの根本あたりには、マリオカートで白熱しすぎて、爪で引っ掻いてしまった跡。

左のLボタンのあたりは、少しだけ塗装が剥げている。これは、友達とスマブラで盛り上がった日、床に落としてしまった時の名残だ。

一つ一つの傷に、思い出が詰まってる。

夫と夜通し協力プレイをしたこと。

友達の家に持ち寄って、みんなでワイワイ騒いだこと。

一人で黙々と、祠を探し続けた、あの冒険の日々。

新しいSwitch 2で、全く新しいゲームをプレイしているのに、このJoy-Conを握っているだけで、あの頃の楽しかった記憶が全部蘇ってくるような感覚。

これはもう、単なる「入力機器」じゃない。

私の数年分の「楽しかった時間」が詰まった、タイムカプセルのようなものだ。

そのタイムカプセルを、新しい冒険にも持っていける。

思い出を、ちゃんと引き継ぐことができた。

そう思えたら、胸がじーん、と熱くなった。

数年ぶりのゲームは、最高の暇つぶしだった

そして、肝心の「妊婦の暇つぶし」としてのゲーム。

これが、もう、最高だった。

私がまず選んだのは、昔少しだけプレイして放置してしまっていた、とあるオープンワールドのゲーム。

ソファにクッションをたくさん置いて、一番楽な姿勢で横になる。

そして、コントローラーを握れば、そこはもう広大な世界。

  • 体への負担が、全くない。歩き回らなくても、絶景を見に行ける。重いものを持たなくても、冒険ができる。安静生活の私にとって、これ以上ない娯楽だ。
  • 時間を忘れさせてくれる。次の目的地はどこだろう、あの素材はどこで手に入るだろう。考えているうちに、あっという間に時間が過ぎていく。つわりや腰痛の辛さを、忘れさせてくれる瞬間があるのは、本当にありがたい。
  • 夫婦の会話が増えた。「今日、あそこのボス倒したよ!」「え!俺より先に進んでるじゃん!」夜、夫が帰ってきてから、今日の冒険の成果を報告するのが日課になった。生まれてくる子どもの話をすることももちろん幸せだけど、二人共通の趣味で盛り上がる時間も、やっぱり大切だ。

「この子が大きくなったら、このJoy-Conを渡して、一緒にマリオカート、できるかな」

「できるよ。英才教育だな!」

そんな未来を想像して、二人で笑い合う。

ゲームが、私たちの生活に、新しい彩りと、未来への楽しみを運んできてくれた。

まとめ:たかが互換性、されど互換性

まさか、こんな未来が待っているなんて。

クローゼットの奥でホコリをかぶっていた古いゲーム機が、最新のゲーム機との出会いを経て、私の灰色だった安静生活を、こんなにもカラフルなものに変えてくれるなんて、思ってもみなかった。

そして、そのきっかけをくれたのが、「初代SwitchのJoy-Conが、Switch 2でも使えた」という、ただそれだけの事実。

でも、それは「ただそれだけ」じゃなかった。

お財布への優しさとなり、

心への安らぎとなり、

思い出を繋ぐ架け橋となった。

たかが互換性、されど互換性。

作り手側の、ユーザーへのちょっとした思いやりが、私たちのゲーム体験を、そして日々の生活を、どれだけ豊かにしてくれるか。

この身をもって、実感することができた。

もし、この記事を読んでいるあなたが、昔遊んだゲーム機を、押し入れの奥にしまい込んでいるのなら。

そして、新しいゲーム機を買うことを、少しだけ躊躇しているのなら。

その手の中にあるコントローラーは、ただのプラスチックの塊じゃないかもしれない。

未来のあなたを、ちょっとだけ幸せにしてくれる、魔法の杖になるかもしれない。

そんな、夢のようなお話。