
先日、iPhone 12 が発表されました。発売日が待ち遠しいですが、スペックを見る限り iPhone 11 から何がどれくらい進化したのかよくわかりませんでした。
以下スペック表からは分かりずらいですが、カメラ性能は大きく進化しているようです。今回は私が興味あるカメラ性能について深堀していこうと思います。比較対象は iPhone 12 と 11 の Pro Max シリーズを対象としています。
まずはスペック
iPhone 12 Pro Max | iPhone 11 Pro Max | |
発売日 | 11月13日 | 発売中 |
ディスプレイ | 6.7インチ(有機EL) 2778×1284 | 6.5インチ(有機EL) 2688×1242 |
チップ | A14 Bionic | A13 Bionic |
カメラシステム | Pro 12MP | トリプル12MP |
超広角カメラ | 12mm相当 f/2.4 | 13mm相当 f/2.4 |
広角カメラ | 26mm相当 f/1.6 ※従来より47%大きなセンサー | 26mm相当 f/1.6 |
望遠カメラ | 65mm相当 f/2.2 | 52mm相当 f/2.0 |
手振れ補正 | センサーシフト光学式 | デュアル光学式 |
Raw対応 | Apple ProRAW | なし |
LiDARスキャナ | 搭載 | なし |
「ハードウェア」と「写真作り」の進化
iPhone 12 ではハードウェアが更に進化したことで写真作りも大きく変わりました。旧機種の iPhone 11 や Google Pixel シリーズでは、これまでコンピュータによる演算処理による写真の質の向上を図ってきました。写真はデータですので、ハードウェアの性能向上によって写真作りも進化します。

今回、最新のA14 Bionicに搭載されるNeural Engine、ISP (CPU や GPU)、機械学習アクセラレータを活用することで、iPhone 11シリーズでの写真作りから大きく進化しているようです。
実際に A14 Bionic と A13 Bionic と比較したとき、CPUのパフォーマンスも17〜22%速く、グラフィックスのパフォーマンスも最大72%速くなっているため、ノイズの少ない自然な写真が撮れるのではないでしょうか。
Geekbench also measures graphics performance for A-series chips, and reports that the A14 scores 12,571 compared with the A13’s 7,311.
https://venturebeat.com/2020/10/07/apples-hi-speed-iphone-event-may-normalize-low-speed-5g-and-fast-cpus/
RAW撮影に対応
iPhone 12 Pro シリーズでは Apple の独自フォーマットである「Apple ProRAW」を用いることができます。これまで iPhone で撮って出しの画像ではなく、自身で現像作業を iPhone の端末上で行う事ができるようになります。この機能は「まもなく登場」とのことなので発売後すぐに使える機能ではなさそうです。
一眼カメラなどで RAW 画像を撮る場合、現像作業は PC や iPad Pro などで行う必要があったが、iPhone 上で気軽に現像できるようになるのはとても嬉しい!

10bit HDR撮影に対応
iPhone 12 シリーズすべてで動画撮影では Dolby Vision フォーマットでの 10bit HDR 撮影 に対応しています。まず 「HDR」 についてですが、簡単に説明すると目で見ている明暗差をそのまま撮影する事ができるようになります。また 10bit 撮影により 従来の 8bit 撮影と比べると扱える色の数が 約1600万から10億色となります。つまり 10bit HDR での動画撮影は 現実の光や色をそのまま動画に収める事ができます。

ファイルフォーマットは「Dolby Vision」で記録されます。綺麗に撮れるようになった事でデータ量も多くなりますので、ストレージサイズは大きめのものを選択したほうがよさそうですね。
LiDAR スキャナによるAF精度向上
iPhone 12 Pro シリーズには赤外線レーザーを用いて対象物との距離や形状を測定する「LiDAR」スキャナが組み込まれています。LiDARの搭載により、明るさが足りないシーンでのオートフォーカスは従来の 6倍高速になったそうです。また iPhone 12 Proシリーズからナイトモードのポートレート撮影が可能となりました。

iPhone 12 Pro シリーズでは広角カメラのセンサーサイズが大きくなり暗所でもノイズの少ない撮影ができるようになり、さらにLiDARスキャナによりAF精度も向上し、星空や夜景でどれだけ使えるのか楽しみですね。
つまり何が変わったか
iPhone 12 Pro Max では iPhone 11 Pro Max ができなかったRAW現像ができたり、ハードウェアの進化によって現行のどのスマートフォンでも撮れない綺麗な写真や動画を撮れるようになる…という事です。
